レミニセンスはアンティーク・ショップです。いつまでも心に残る、想い出のかけらのような品々を 集めました。

エドワーディアンの光学用品店から/ Antique Victorian Magic Lantern Glass Slide "The Light of the World " 320-309-5

0円(内税)

英国、ヴィクトリア時代に大流行した光学機器のひとつ、マジックランタン。
日本語では幻灯機。


諸説ありますが、西洋では17世紀にイエズス会のアタナシウス・キルヒャーが 文献に記したのが最初といわれています。

ロウソクやランプを光源に、ガラスに描かれた図像を、レンズを通してスクリーンに投影するという仕掛けのマジックランタンは現代のプロジェクターの原型ともいえるものでした。

英国では19世紀ヴィクトリア時代に、マジックランタンの巡回上映が盛んとなり、たいそうな人気を博しました。
様々な工夫をこらしたガラスのスライドを駆使し、ドラマティックに演出された上映に、子供はもちろん大人も夢中になったといわれています。
その後は映画の発展によりマジックランタンは時代に取り残され、一部のコレクター達のみが愉しむアイテムへと変わってゆきました。



今回ご紹介するアイテムは、そのマジックランタンのガラス原版。

英国のマーケットで、小さな箱に十数枚のセットで入っているものを手に入れました。
ディーラーからの情報としては「All Victorian Hymns!/すべてヴィクトリア時代の讃美歌」とのことでした。


この1枚はタイトルが「The Light of the World」。
作者はPennsylvania出身のP. P. Bliss(1838-1876)。

歌詞は以下のようになっています。

"I am come a Light into the world"-John xii

1. The whole world was lost in the darkness of sin,
The Light of the world is Jesus!
Like sunshine at noonday, His glory shone in;
The Light of the world is Jesus!

Refrain:
Come to the light, ’tis shining for thee;
Sweetly the light has dawned upon me;
Once I was blind, but now I can see:
The Light of the world is Jesus!


2. No darkness have we who in Jesus abide;
The Light of the world is Jesus!
We walk in the light when we follow our Guide!
The Light of the world is Jesus!


3. Ye dwellers in darkness with sin-blinded eyes,
The Light of the world is Jesus!
Go, wash at His bidding, and light will arise;
The Light of the world is Jesus!


4. No need of the sunlight in Heaven we’re told;
The Light of the world is Jesus!
The Lamb is the Light in the city of gold,
The Light of the world is Jesus!


残念ながら、この讃美歌の日本語訳はみつけることができませんでした。


一方で、もう少し詳しく品物をみてみると、ガラスを包んでいる紙のコーナー部分が買い付け当時から少し剥がれていました。
そこにメーカー名らしき文字をみることができます。

J W B.
3. LUDGATE
CIRCUS BLDGES


これは「James Williams Butcher」のこと。
ロンドン、2-3 Ludgate Circus Building E.C.4 において1910年頃から1923年頃まで顕微鏡用のスライド、そしてマジックランタンのスライドなどを製作していました。
場所でいえばロンドン中心部、シティオブロンドン、セントポール大聖堂のそばの一等地にあたりますので、なかなか繁盛していたのではないでしょうか。、

英国の、おそらく個人の方が趣味的に解説しているサイトに、詳しい説明がでていましたので、もしよろしければご覧ください。
(英語版)*顕微鏡スライドの虫の画像などございますので苦手な方はご注意ください*
http://microscopist.net/ButcherJW.html


年代からすれば、ヴィクトリアンからは若く、エドワーディアンの終わりころの品物のようですが、その辺りはどうかご容赦ください。
また、ガラスに対して印刷がやや傾いてしまっていることも、お許しいただきたいと思います。(傾いたまま映し出したのでしょうか・・?)


大きさは約8cm程度の正方形。
四方の辺は紙(布?)テープで覆われており、飾り文字のタイトルとともに、四方を細かな飾りボーダーで囲んだ瀟洒なデザインとなっています。


教会での集まりのときに、マジックランタンで大きく映し出して、皆で歌ったのではないでしょうか。


透明なガラスに浮く文字が儚く美しく、いつまでも見ていたくなる衝動にかられます。
英国エドワード朝、セントポール大聖堂のそばの光学用品店からやってきた英国アンティークの小品を、どうぞお手元でご鑑賞ください。




更なるディテールはこちらからご覧ください。→MORE DETAIL



◆England
◆推定製造年代:c.1910-1923年頃
◆素材:ガラス・紙(もしくは布)
◆サイズ:約8.1×8.1cm 厚み約0.2〜0.3cm
◆重量:約45g
◆在庫数:1点のみ

【NOTE】
*古いお品物のため、小傷や汚れ、変色、周囲のテープの傷みや破れ等がございます。
*ガラスで出来ていますので、お取り扱いにはご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上お求めください。

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